花の美を輝きに留めて

未生流笹岡 家元 笹岡隆甫×kagayoi

京都にて創流され、伝統と革新を兼ね備えた華道の流派として知られている「未生流笹岡」。
その家元である笹岡隆甫氏と「かがよい」とのコラボレーションにより、四季の花の美しさを表現したジュエリーが完成しました。

いけばなという美の世界

いけばなと四季

いけばなでは、新年の松から始まり、梅、桜、かきつばたと、四季折々の花材を生けて楽しみます。季節に合わせてしつらえを変え、静かに季節を感じる。そこには、茶道や着物などにも共通する日本文化の美学、神髄があると思うのです。そして生けた花を見ていただくことで、四季を感じる気持ち、喜びを人と共有できる、それはとても幸せなことだと思います。

未生流笹岡のいけばな

未生流笹岡の花姿は、すっきりと洗練された「引き算の美」。重なりあった枝葉を極限までそぎ落とし、一輪の花、一枚の葉の輪郭まで際立たせます。先人が考案した型に花枝の長さや配置・角度を書き添えた「寸法表」を用いる、理論的な生け方が大きな特長です。

流花「かきつばた」

未生流笹岡の流花は、かきつばた。「かきつばたの笹岡」として全国にその名を知られています。日月和合の色とされる紫を花色に持ち、古来、最高位の花として大切にされてきた花です。かきつばたの場合も、寸法と葉組(葉の組み方)が定められています。

四季の花々の美しさをジュエリーに

はなざかり 四季それぞれ

四季折々の花、季節を愛でる日本の心を、永久に輝き続けるジュエリーして形にしました。花を目にして「きれい」と感じた瞬間の心を呼び戻すかのような、自然の美を表現しています。
かきつばたは、気品ただよう紫に一筋の白が印象的な花。未生流笹岡では生ける際に、長くのびる緑の葉が要となり、数や長さなどが細やかに定められています。その美しさをジュエリーとしてデザインするために、特に葉の先端の向きについて笹岡氏にさまざまなアドバイスをいただき、紫と緑のコントラストが凛と際立つブローチが完成しました。

緻密な輝きが生む、花々の豊かな表情

熟練の職人の手により仕上げられた、「四季それぞれ」シリーズ。中でも最大のこだわりは、爪を最大限小さく目立たなくした、石の「彫り留め」にあります。石を一つひとつ、サイズを合わせて敷き詰め、特別な鏨(たがね)とマイクロスコープを使って調整。大変な時間と技術を要しますが、他の留めではなしえない、石の面の緻密な連なりを実現。花々の生き生きとした表情を立体的に楽しんでいただけます。

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笹岡隆甫

笹岡隆甫氏 プロフィール

華道「未生流笹岡」家元。京都ノートルダム女子大学客員教授。大正大学客員教授。京都市の「DO YOU KYOTO?」大使として環境破壊防止を呼びかけている。

1974年京都生まれ。京都大学工学部建築学科卒業。3歳より祖父である二代家元笹岡勲甫の指導を受け、2011年、三代家元を継承。舞台芸術としてのいけばなの可能性を追求し、日本-スイス 国交樹立150周年記念式典をはじめ、海外での公式行事でも、いけばなパフォーマンスを披露。2016年には、G7伊勢志摩サミットの会場装花を担当した。近著に『いけばな』(新潮新書)。

撮影=久保田康夫(STUDIO BOW)「婦人画報」(ハースト婦人画報社)2013年1月号掲載写真